「テレコになる」という表現
はじめに
現場で「この配線テレコになってるぞ!」と言われて、意味がわからなかった経験はありませんか?
「テレコ」は電気工事・製造業の現場でよく使われる業界用語です。意味を知らないと大きなミスにつながることも。工場電気技術者として実際に遭遇したテレコのトラブル事例も含めて解説します。
この記事でわかること
✅ テレコの語源と意味
✅ 電気配線でのテレコの具体例
✅ テレコが引き起こすトラブル
✅ テレコを防ぐための配線管理
✅ 現場での確認方法
1. テレコとは?語源と意味
「テレコ」とは関西地方の方言で「互い違い」「交互」を意味します。歌舞伎の「手を出す・引く」の演技から来ているという説もあります。
電気工事・製造業の現場では「配線や接続が正規の位置から入れ替わっている状態」を指します。
テレコ=「A線がBの位置に、B線がAの位置に接続されている」入れ違いの状態
2. 電気配線でのテレコの具体例
① 三相電源のテレコ(相順間違い)
三相モーターに接続するR・S・T相(またはU・V・W相)が入れ替わると、モーターが逆回転します。ポンプやコンベアの場合、逆回転で設備が壊れることがあります。
- テレコ前:R→U、S→V、T→W(正回転)
- テレコ後:R→W、S→V、T→U(逆回転)
② 制御配線のテレコ
PLCの入力信号が入れ替わると、センサーAの信号がBとして処理され、誤動作・誤出力が発生します。設備が予期しない動作をするため非常に危険です。
③ RS-485通信線のテレコ(A/B入れ違い)
RS-485通信のA線とB線を逆に接続すると、通信が全くできなくなります(論理が反転するため)。
④ センサーの極性テレコ(+/-入れ違い)
DC電源で動くセンサーのプラスとマイナスを逆接続すると、センサーが壊れたり、最悪の場合ショートします。
3. テレコが引き起こす実際のトラブル
事例① モーターが起動直後に保護停止
症状:新設したポンプが起動直後に過電流で保護停止する。
原因:三相電源のU-V相がテレコになっており、逆回転していた。逆回転では流体抵抗が増大し過電流になった。
対処:検相器で相順を確認し、2本を入れ替えて正回転に修正。
事例② センサーが常時ONになる
症状:新設したPLC入力の近接センサーが、物がないのに常時ON信号を出す。
原因:センサーとPLCの入力番号がテレコになっており、別のセンサーの信号がそのチャンネルに入っていた。
対処:配線リストと実配線を照合し、テレコになっていた2本を入れ替えて解決。
4. テレコを防ぐための配線管理
① 配線リスト(ワイヤリングリスト)の作成
配線工事の前に「From-Toリスト」を作成し、どのケーブルがどこからどこへ接続されるかを明確にします。
② ケーブルへのフェルールマーカー・配線番号の取り付け
ケーブル両端に同じ番号のマーカーを取り付けることで、接続先の間違いを防ぎます。
③ 導通確認
接続完了後、テスターで導通確認を行います。特に多芯ケーブルでは、全芯の導通確認が必須です。
④ 三相電源は必ず検相器で確認
モーターへの三相電源接続後は、必ず検相器で相順を確認してから起動します。
5. テレコの確認方法(現場での実践)
- 三相電源:検相器で相順(R-S-T)を確認
- 通信ケーブル:通信テスターまたはオシロスコープで信号確認
- センサー:実際に物体をかざして動作確認
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まとめ
- テレコ=配線や接続が正規位置から入れ替わっている状態
- 三相電源のテレコ→逆回転、制御配線のテレコ→誤動作、通信線のテレコ→通信不可
- 配線リスト・マーカー管理・導通確認でテレコは防げる
- 三相電源は必ず検相器で相順確認してから起動
テレコは「些細なミス」に見えても、設備損傷・怪我・生産停止につながる重大な問題です。配線後の確認を徹底しましょう。

