電気設備の常識
1.テスターは高圧では使用できない。
一般的なテスターは、定格電圧(通常600V)を超える高圧回路に対応していません。高圧回路で使用すると、テスター内部で絶縁破壊が起こり、感電や火災の原因となる可能性があります。高圧回路の測定には、専用の高電圧プローブや分圧器、VTなどを使用し、安全規格に適合した機器で行うことが重要です。
2.人の言ったことは信用せずに、自分で確認する。
作業現場では、「電源は切れている」「接地は完了している」といった情報が伝えられることがありますが、これらが誤っている場合、感電や火災などの重大な事故につながる可能性があります。そのため、他人の言葉だけに頼らず、自分自身で確認することが不可欠です。安全確認は作業の基本で、特に電気設備の作業では、指差し呼称や検電器による無電確認など、自らの目と手で安全を確保する習慣が求められます。不明確な点や疑問がある場合は、必ず自分で確認し、納得してから作業を進めましょう。
3.断路器は負荷電流を遮断できない。
断路器は電気回路を物理的に開閉する装置で、負荷電流を遮断する能力はありません。断路器は主に保守や点検の際に回路を完全に切り離す目的で使用されるので、電流を遮断するためのアーク消弧装置を備えていません。そのため、電流が流れている状態で開放すると、アーク放電が発生し、機器の損傷や火災の原因となる可能性があります。手順としては遮断器を開放して、負荷電流を遮断する。検電器などを使用して回路が無電圧を確認してから、断路器を開放して回路を物理的に切り離します。