終端抵抗とは?
終端抵抗とは、通信ケーブルや電気回路の末端に取り付ける抵抗器のことです。主な役割は、信号の乱れを抑えて通信の品質を高めることにあります。終端抵抗は、文字通り最終端に入れる抵抗です。
終端抵抗の役割
- 通信の安定性確保
- 高速通信では、ケーブルの末端で信号が反射すると、元の信号と干渉して波形が乱れ、通信エラーが発生します。終端抵抗を適切に設置することで、通信の信頼性を高め、誤動作を防ぎます。
- インピーダンス整合
- ケーブルの特性インピーダンスと終端抵抗の値を一致させる(インピーダンス整合)ことで、信号の損失や歪みを最小限に抑えます。これは、特に高周波信号を扱う場合に重要です。
終端抵抗の具体例
■CC-Link
CC-Linkの通信ネットワークでは、用途に応じて以下のような終端抵抗が使われます。
(1) 110Ω 1/2W(茶茶茶):CC-Link専用ケーブル、Ver1.10対応CC-Link専用ケーブル用
(2) 130Ω 1/2W(茶橙茶):CC-Link専用高性能ケーブル用
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それぞれ、ケーブルの特性に合わせて選定されています。
■消防関係の熱感知器、煙感知器
自動火災報知設備などでは、通信の安定というより、配線の異常検知が主な目的です。感知器や受信機はa接点であるために、断線検知のために回路の末端に終端抵抗を取り付けます。断線時には電流が流れなくなり、異常として検知されます。
2芯工事の場合は末端の感知器に、4芯工事では総合盤に設置されることが一般的です。抵抗値は数kΩと高めで、これは微弱な電流で回路の状態を監視するために適した値です。メーカーや機器によっても値は異なります。
日本ドライケミカル株式会社様のP型1級受信機のP100シリーズでは、終端抵抗は10kΩです。また4.3kΩ、5.1kΩの場合はそのままの終端抵抗が使用できます。
まとめ
終端抵抗は、通信や回路の安定性を保つために欠かせない存在です。
CC-Link
消防関係の熱感知器、煙感知器
- 回路の断線検知が主目的で、抵抗値は高め(数kΩ)で、信号反射防止は考慮されません。