ノイズ対策について

工場にはノイズ発生源が多く存在します。たとえば、モーター、インバータ、スイッチング電源、無線通信機器などから発生するノイズが、配線ケーブルを通じて他の機器に悪影響を及ぼすことがあります。
配線ケーブルがアンテナのような働きをすることで、外部からのノイズを拾ったり、内部のノイズを他の場所へ伝播させる原因になります。

ノイズの種類と原因

コモンモードノイズ

電源ラインとグランド（接地）間に発生するノイズ。

原因：高周波スイッチング、雷サージ、インバータなど。

ディファレンシャル（差動）モードノイズ

電源のホットラインとニュートラルライン間に発生するノイズ。

原因：負荷変動、スイッチング電源の動作など。

ノイズ対策

共通の対策

• ラインフィルタ：電源入力部にEMIフィルタを設置し、高周波ノイズを減衰。
• フェライトコア：電源ケーブルにフェライトビーズやフェライトコアを取り付け、特にコモンモードノイズを効果的に抑制。
• サージプロテクタ：バリスタやガス放電管などを使用して、雷サージや過電圧から機器を保護。
• シールドケーブル：電源ケーブルや信号ケーブルにシールド付きケーブルを使用し、外部ノイズの侵入および放射を防止。
• 接地（アース）：正しく設計された接地によって、ノイズ電流の逃げ道を確保し、装置の誤動作を防止。

信号ラインに特化した対策

• シールド付きツイストペアケーブル：差動信号を送る際に、ノイズ耐性を高める。
• 配線分離：信号ラインと電源ラインを物理的に離して配線することで、ノイズ干渉を低減させる。