電池放電のCC、CR、CPってなに?
CC放電:
容量スペックを測る標準。リチウムイオン電池のスペックシートでよく見る「放電容量:Ah」は、定電流放電で測定されたもの。
CR放電:
抵抗負荷での挙動がわかるが、実際のデバイスでは少ないケース。
CP放電:
現代の電子機器に近い放電パターン。電流が増える終盤で電池に負荷がかかり、劣化や発熱のテストに有用。
比較表
項目 | CC (定電流) | CR (定抵抗) | CP (定電力) |
一定なもの | 電流 | 抵抗 | 電力 |
現実の例 | モーター | ヒーター | PCやインバーター |
電池の放電方法
⚡CC:Constant Current
電池から一定の電流を流し続けて放電させる方法。電流が一定なので、電池の電圧は時間とともに徐々に低下していきます。たとえば、満充電の4.2Vから始まり、放電終止電圧(通常2.5V~3.0V)まで下がる。用途としては、「電池の容量:Ah」を測定するのに最適で、モーターや電動工具などでの使用条件に近い放電をシミュレートできる。
例:2000mAhの電池を1Aで放電すると、理論上2時間で空になる(実際は少し短いことが多い)。
イメージ: バケツ(電池)から一定のペースで、水の流れ(電流)を出し続ける蛇口、の水位(電圧)が徐々に下がる。

⚡CR:Constant Resistance
電池に一定の抵抗(たとえば10Ω)を接続して放電させる方法。抵抗値が固定なので、電流は電池の電圧に応じて変化します。オームの法則(I = V/R)により、電圧が高い最初は電流が大きく、電圧が下がるにつれて電流も小さくなる。たとえば、4.2Vで10Ωなら0.42A、3.0Vなら0.3Aと、電流が徐々に減少。用途としては、抵抗負荷をかけた場合の電池性能を評価で、抵抗性の負荷(ヒーターや電熱器など)での挙動をシミュレーションできる。
イメージ: バケツ(電池)から穴の大きさが固定で、水位(電圧)が高いほど水の流れ(電流)が強い。

⚡CP:Constant Power
電力一定を保つため、電圧が下がるにつれて電流が増える(P = V × I が一定)。用途は実際の電子機器(ノートPCやLED照明など)での使用に近いシミュレーションができる。多くのデバイスは一定の電力を必要とするため、電池の耐久性や効率を評価できる。「電池の容量:Wh」
イメージ: 水槽に一定のエネルギー(電力)を供給するポンプ。タンクの水位(電圧)が減ると、流量(電流)を増やして調整。
